ヘッドホンを付けて寝る女性

フィクション

AirBods Proを悪用した窃盗事件相次ぐ 警視庁が注意喚起

 米Abble社のノイズキャンセリングイヤホンAirBods Proを悪用した窃盗事件が都内で相次いでいるとして、警視庁特命捜査二課が注意を呼びかけている。

 犯行の手口はこうだ。まず深夜の住宅に侵入し、あらかじめノイズキャンセリングモードに設定したAirBods Proを寝ている住人や犬などの耳に挿入する。すると高性能のノイズキャンセリング機能により住人や犬には物音が一切聞こえない状態となる。その間に犯人は宅内を悠々と物色し、最後にイヤホンを回収して撤収する。大胆かつ巧妙な手口だ。

 すでに十数件の被害が発生しており、被害総額は1億円を超えると見られる。同課長は「ノイズキャンセリングイヤホンにこのような使い方があるとは全くの想定外だった。新たなテクノロジーが生まれれば必ずそれを悪用する者が現れる。あらゆる可能性を想定したいがそれも難しい」とテクノロジー犯罪への対応の難しさを語り「戸締まりなど基本的な事に注意し、防犯カメラの設置なども検討してほしい」と注意を呼びかけた。

 被害者の一人、魚さん(仮名)は「朝起きて、室内が荒らされているのを見てギョギョッとしました。恐ろしかったです」と当時の様子を振り返る。「そういえば寝ている時に”明日は晴れです”とか”良く聞き取れませんでした”とか聞こえた気がします。今思えば耳に入れられたAirBods Proが寝言にでも反応して喋っていたのかも知れません。その時に気づいていれば…」と悔しさを滲ませた。
 魚の帽子コレクション数百点を全て盗まれたという魚さんだが「魚好きに悪い人はいない。改心してくれると信じています」と複雑な心境を語った。

 AirBods Proの販売元であるAbble社はコメントを発表し「完全に盲点だった。卑劣な犯行だが、弊社の製品があまりに高性能過ぎるとも言える」と一定の責任を認めた上で「寝ている時に耳を守るEarCover Proを開発した。単なる耳カバーだが、これからは寝るときにはこれを付けて欲しい。これは新しい生活様式だ」としている。

 EarCover Proは本日より発売となっており、左右セットでの価格は69,800円(税込)からとなっている。

この記事はフィクションです。実在する人物・団体・事象などとの関係は一切ありません。

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