FakeTime

フィクション

【!Phone18 おすすめ新機能レビュー】 生産性爆上がり! "テレワークが待ち遠しくなる" 革新的ソリューション「FakeTime」編

 米ニューメキシコ州ロズウェル郊外にあるアッブル本社にて、現地時間6月6日午前6時より、恒例のアッブル悪魔的開発者会議(WWDDC 2024)が開催された。
 WWDDCでは新しい!Phoneの発表が慣例となっているため注目度も高く、今年も各国から押し寄せたメディア関係者で会場は大盛況となった。そんな中ついに発表された「!Phone18」は事前の予想をはるかに上回る大きな進化を遂げており、その驚きと興奮はライブ配信を通じて瞬く間に世界中へと拡散した。

 最新の!Phone18ではついにレンズ交換式となったカメラ関連のトピックばかりが注目されがちだが、実は他にも画期的な新機能がいくつか追加されている。中でも筆者が特に注目したのが次の2つの機能だ。

  1. FakeTime(AIコミュニケーションツール)
  2. !Warp(物質転送機能)

 筆者も発売日に!Phone18を入手してからしばらくの間使用しているが、もう以前の生活には絶対に戻れないというのが偽らざる感想だ。
 そこで今回から二回に分けて、この2つの新機能「FakeTime」と「!Warp」の魅力を存分にお伝えしていこうと思う。前編ではまず、筆者にとってもはや手放せないツールとなっている「FakeTime」をご紹介する。


 昨今ではテレワークの導入も進み、自宅で仕事をする機会も増えた。だが資料作成だのオンライン会議だのに追われていたのでは、せっかくのお家時間が無駄になってしまう。

 そんな時にぜひ活用したいのがFakeTimeだ。

 FakeTimeはあなたのアバターを現実のあなた本人と見分けがつかないレベルのクオリティーで生成し、様々な用途に活用できる機能だ。
 例えばアバターをあなたに代わってオンライン会議に参加させる事ができる。会議中アバターはどんな場面でも状況をきちんと把握し、そつのない受け答えをしてくれる。それだけではない。時には絶妙なユーモアを交えつつ、画期的な意見を述べたり、問題点を次々と指摘したりもする。

 新たに開発されたプロセッサーM666 Botanicの並外れた処理能力により、アバターの完成度は驚異的なレベルに達している。合成っぽさやCGっぽさ、不自然さなど一切感じられない。他者からはどう見てもあなた本人にしか見えないはずだ。
 こうなるともはや現実のあなたがサボっていようが遊んでいようが問題ではない。なぜならアバターはあなたの容姿や性格など基本的な人格を反映しつつも、機械学習によってあらゆる分野に精通している。どんな言語をも使いこなす上にコミュニケーションスキルも申し分ない。不平不満をこぼす事もなく、疲れる事も休む事もなくひたすら仕事に取り組む。いわばあなたの上位互換なのだ。となれば、むしろあなたがサボった方が会社にとっては有益であろう。

 FakeTimeで生成されたアバターは!Phone18とネットワークで繋がった他のコンピュータ上やサードパーティのアプリケーション上でもシームレスに機能する。筆者も初めは半信半疑だったが、会社のオンラインミーティングをFakeTimeアバターに任せて様子を見てみた。すると全く問題ないばかりかアバターの発言に対する周りの反応も上々で、上司からも褒められた。今ではオンラインでの会議は全てアバターに任せている。
 会議に出ているのがアバターだと誰も気付いていないのか、あるいはどうでも良いのかはわからないが、とにかくオンライン会議のストレスから解放されただけでも筆者にとってその恩恵は計り知れない。

 それだけでも十分画期的なのだが、FakeTimeの凄さはそれだけに止まらない。アバターはメールのやり取りや電話対応、スケジュール管理、もちろん資料作成などPC上、あるいはオンライン上で済むような仕事は全てあなたに代わってやってくれる。リアルで人と会ったり出社する必要がある時以外、仕事はアバターに任せて、あなたは趣味や家族サービス、習い事など何でも自由に過ごせば良いのだ。まさに革命的な機能と言えるだろう。

 だが先日、アバターが何故か全裸で会議に出席してしまうという致命的とも言えるバグが発生し、FakeTimeが一時利用できなくなってしまった。現在ではメンテナンスも完了しサービスは再開されているのだが、実は筆者も一度このバグに遭遇している。全裸の自分がzoomの画面に登場した時にはさすがに頭が真っ白になった。幸いにも出席者の大半が全裸であったため事なきを得たが、この時初めて他の出席者たちもFakeTimeのアバターだった事に気付いた次第だ。

 FakeTimeのおかげで筆者のライフスタイルはまさに一変した。先日などはテレワークをアバターに任せたまま思い切って二泊三日で温泉旅行に出かけてみたが、何の問題もなかった。これほど分かりやすく恩恵を感じさせてくれるテクノロジーが未だかつてあっただろうか。素晴らしいとしか言いようがない。

 だが時々、例えばアバターが業務をてきぱきとこなすのを横目で見ながら部屋に散らかったビールの空き缶を片付けている時などに、ふと考えてしまう事もある。「会社にとって必要なのはアバターであって、私じゃないのでは…」

 だがもう後戻りは出来ない。

 アバターが誰かと電話で話している。法的に微妙な案件について、弁護士となにやら専門的な会話を交わしているようだ。内容が高度すぎて全く理解できない。微かな不安が頭をよぎる。そんな時はソファに身を投げ出し、ストロングゼロを勢いよくプシュッ!と開けて飲みながらNetflixを観る。そうしていると雑念はいつしか消え去り、理想の未来だけが見えて来るのだ。

 今後アッブルにはリアルなコミュニケーションまでも完璧にこなす「!Robot」の発売を期待したい。夢にまで見たコピーロボットだ。皆こぞって買うだろう。
 我々が真の自由を手に入れる日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。


 いかがだっただろうか。今回は!Phone18の新機能「FakeTime」の魅力をお伝えした。
 個人的にはこの機能だけのためにでも!Phone18を買う価値があると思っている。お家時間を有意義に過ごすため、またあなたの会社の生産性をより高めるという意味でも、ぜひFakeTimeを積極的に活用してみてはいかがだろうか。

 後編ではもう一つの注目すべき新機能「!Warp(物質転送機能)」についてご紹介する。スリルに満ちたレビューとなる予定だ。楽しみにお待ちいただきたい。

この記事はフィクションです。実在する人物・団体・事象などとの関係は一切ありません。

© 2024 Liar Paradox